まず最初に断っておくのは、私はプレイヤーとしてはそうレベルの高い方ではない、と言うことである。
 つまり、この記事は下手が下手なりに考えた結果であるので、高レベルプレイヤーから見たら噴飯モノであったり、あるいは既に何処かしらで語られていたりする内容である可能性があることを予め断っておく。

 さて、本題。
 昨今、ランドスティルを使用していて強くないと感じるカードが幾つかある。……より正確には、「現在では」「かつて程の強さを感じない」、と言った方がいいだろうか。
 以下がそのカードたちだ。

《行き詰まり》
《ミシュラの工廠》
《不毛の大地》

 ……なんていうか、ランドスティルやめちまえってラインナップだなコレ。

 さて、私がそう強くないと感じた理由を順次説明していきたいと思う。

 まず《行き詰まり》だが、理由のひとつとして、2ターン目に気軽に置きにくくなった、というのが挙げられる。

 何故かと言うと、1ターン目、2ターン目の脅威がかつてに比べて随分と増えてきているからだ。

 1ターン目に対戦相手が出したカードが強力で、うっかり除去できなかったりすると《行き詰まり》がしばらく手札で腐る状況になるし、また2ターン目に土地をフルタップで行き詰まりをキャストした場合、2ターン目の脅威を《Force of Will》がない限りは絶対に通すことになるので、その点も問題である。

 昔は1マナの脅威といったら《密林の猿人》か《敏捷なマングース》、後は《ゴブリンの従僕》と《霊気の薬瓶》くらいだったが、現在はそれらに加えて《秘密を掘り下げる者》や《ゴブリンの先達》、《野生のナカティル》等、パワー3とか速攻持ち2/2とか性能が恐ろしいことになっている。

 ランドスティルは例えば初手にに1マナ除去がなくとも、1ターン目に出てきたのがパワー1とかだったらほっといて《行き詰まり》置いて10ターンくらい殴られ後、万全の準備をして自分から《行き詰まり》を割ったりとかはよくするプレイなのだが、こうも1ターン目の脅威が強くなられるとそういった戦略をする機会が減ってくる。

 加えて2マナの脅威である。

 これも以前に比べて増加しているわけだが、特にイヤなのが《石鍛冶の神秘家》とこっちが後手の時の《瞬唱の魔道士》で、前者は着地されると剣か《殴打頭蓋》を持ってこられるためアドバンテージの優位がたった1枚差になってしまう上、うっかり除去できなかったりするとそのまま死に直結する。後者はより厄介で、こちらの《行き詰まり》に対応で登場されると泣く泣く自分から《行き詰まり》を割る破目になりかねない。これは心がわりと折れる。

 また、中盤以降に《行き詰まり》を引いた場合でも、上述の《瞬唱の魔道士》や《ヴェンディリオン三人衆》がいるため、迂闊にキャストできる状況が減っている。昔は瞬速持ちのクリーチャーなんて全くと言っていいほど存在しなかったため、場に脅威がいなければ気軽にキャストできたものだが、昨今はこう言った事情からそういうわけにも行かなくなってきている。

 とこのように、《行き詰まり》自身は別に弱くなったわけでもないが(相対的には弱くなっているが)、他が強くなってしまったため昔ほど使い勝手の良いカードではなくなってしまっている。


 次に《ミシュラの工廠》と《不毛の大地》だ。

 これはどちらかというとランドスティルが慢性的に抱えている問題のひとつであるのだが、無色ソースが多く入っているため色マナ的な窮屈さがよく発生する。マナの問題でマリガンすることが他のデッキに比べて若干多いのではないだろうか。

 色マナ的な問題もさることながら、この2者、序盤に引いても大して嬉しくない。

 ランドスティルはマナがある程度伸びた方が嬉しいデッキであるのだが、《ミシュラの工廠》は迂闊に序盤に起動して燃やされたり農場送りにされたりすると大変に困るし、上記の理由から《不毛の大地》もあまり序盤に起動したくない。加えて、序盤は除去したり打ち消したりと結構忙しいのに前述の通りこの2者は無色マナしか生み出さない。

 こういったわけで、特に初手に引いていたときのがっかり感がかなり高いのである。

 一応《ミシュラの工廠》の方は《行き詰まり》があると序盤でも若干は期待できるのだが、殴って除去されてしまった場合、3枚の手札の代わりに1枚戦場の土地を失うというのは序盤であると結構困る場合が多いため、あまり迂闊なことはできない。

 この2者の問題はランドスティルが昔から抱える問題でもあるのだが、昨今は脅威のレベルが昔に比べて上がっているため、相対的にかつてより大きな負担となってしまっている。


 そもそも、他のデッキがどんどん強くなってきているのに対し、ランドスティルはかつてとレシピがあまり大きく変化していない。

 かつてに比べて最も大きな変化は《精神を刻む者、ジェイス》を初めとしたプレインズウォーカーの投入だが、ジェイスは他の青いデッキも装備しているし、その他のプレインズウォーカーだって他のデッキで使うことができる。

 確かに強大な力を得たが、ランドスティルだからこそより輝くといったものではないため、相対的に考えるとそんなに強化されているわけではないように思える。むしろ戦闘員が少ない分、ダメージ以外で対処しづらいプレインズウォーカーは相手に出されると非常に脅威的な存在であり、環境に存在しないでくれた方が有利である可能性が高い。


 総評。

 ランドスティルは強いデッキだ。その力はなんら衰えてはいないが、周りがどんどん強くなっていくために置いてかれ気味であるように思う。

 昨今登場した新能力、「不死」「結魂」「奇跡」等はどれもランドスティルに相性がいいとは言えない様であるし、今後何か相性の良いカードが生まれない限り残念ながらランドスティルの未来は暗そうに思える。

 唯一の慰めとして、コントロールでありクリーチャーデッキに対して強いという性質上、昨今幅を利かせているMaverickに対しては相性が良いように思われる。最も、パニッシング型の場合はかなり苦戦させられるし、メインに数枚挿されている《エイヴンの思考検閲者》やサイドから投入される《窒息》には十分注意が必要ではあるのだが。


 私はコントロールデッキが大好きで、今後もランドスティルを使い続けて行きたいとも思っている。
 ……思っては、いるが。この状況では本当にランドスティルを使い続けられるかどうかはちょっとわからない。是非ともランドスティルを輝かせるカードが今後登場してくれるとこを期待するものである。

 まぁともあれ、Landstillに未来に幸あれ!

 ……あるといいなぁ。

コメント

かもはし
2012年5月11日23:19

つまづきがなくなって人権はわりとなくなったねえ。
おにーさんは多分ビートダウン向きだとは思うけどなあ。

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